うちの子供は、喘息気味なのだが、全国で喘息患者が多いのはどこだろうと気になったので、調べてみることにした。「患者調査」(厚生労働省)という統計資料があるらしく、それを使って調べた。患者調査は、医療機関を受療した人の調査であり、年齢・傷病・都道府県別の統計がある。
患者調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html
単純な患者数でいうと、人口が多い地域(東京とか)が多いに決まっているので、人口千人当たりの数字に換算した。また、患者調査で使用される「推計患者数」は、患者調査が行われる10月中旬に医療機関で受療した人の数なので、時期的な偏りがあることに注意が必要である。なので、今回は、「継続的に医療を受けている者」である「総患者数」のデータを使用した。
(都道府県別のデータが複数ファイルに分かれており、集計するのに手間がかかった。)
推計患者数、総患者数の定義
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20-tyousa_gaiyou.html#12
今回は、乳幼児について知りたかったので「全年齢層」に加え「0~4歳児」についても調べてみた。
また、喘息と症状が似ている急性気管支炎についても、喘息との合計値として調べてみた。特に乳幼児の場合、急性気管支炎と喘息の違いが分かりにくい(うちの子供がそう)ので、この2つは一緒に捉えたほうがよいと判断した。疾病別で「急性気管支炎及び急性細気管支炎」というカテゴリーがあったので、この総患者数を足したケースでも調べてみた。このへんは親としての意地もある。
なお、急性気管支炎と喘息、それぞれの要因は、前者がウイルスや細菌、後者がアレルギー物質(ハウスダストやダニ)と違うらしい(*1)。
結果は以下のとおり。まず、全年齢層の喘息患者数(2011年)だが、
北海道、秋田、北関東(群馬、栃木)、東京、中国山陰~北部九州(鳥取、島根、山口、福岡、長崎)、宮崎がと高い(10以上)。
次に、喘息+急性気管支炎の患者数(全年齢、2011)だが、北海道、秋田、群馬、東京、中国山陰(島根、山口)、長崎が高い(14以上)。喘息だけの図と比べ、地域分布の傾向に明らかな違いは見られないものの、数値としては平均で1.4倍になっている。
次に、乳幼児(0~4歳)の喘息患者数(2011年)だが、秋田、新潟、鳥取、山口で80以上である。全年齢と比べ、新潟が高く、島根が低くなっている。また、
全年齢層と比べ、全国的に桁が1つ大きい。乳幼児は喘息にかかりやすいといえる。
喘息には、乳幼児のときに発症する小児喘息と、大人になって発症する成人発症喘息があるらしい(*2)。小児喘息の場合は、小学校高学年~中学生にかけて治るものも多いと言われる。うちの子供も、喘息とは認めたくないが小児喘息かもしれない…。
次に、乳幼児(0~4歳)の喘息+急性気管支炎の患者数(2011)だが、喘息オンリーと比べ、傾向に明らかな違いは見られない。ただ、値が高い(100以上)地域に富山、島根、長崎などが加わっており、何となく日本海側で値が高い地域が多いような気がする。
以上、わかったこととして、
1)乳幼児(0~4歳)の患者数は、全年齢層の患者数の約10倍である。
2)全国的な分布傾向については、何となく日本海側が多いように見える(特に乳幼児で)。
3)仮説として:日本海側が多いとしたら、その原因として大陸からの黄砂やPM2.5などが考えられる。
3については、大気汚染物質濃度等との関連性を調べても面白いかもしれない。今回(やや強引な仮説として)広域的な大気環境に着目したが、日本海側以外の高い値(北関東など)を説明することが必要である。また、同じ日本海でも、低いところ(福井、石川など)があり、喘息リスクを低める要因があるのかどうかも気になるところ。
一つ調べると分からないことがたくさん出てくるな。
<参考文献>
*1:吉田こどもクリニック/気管支喘息と喘息性気管支炎
http://www.yoshida-kodomo-clinic.jp/pc/column_sick_zensoku.html
*2:リウマチ・アレルギー情報センター/成人気管支喘息
http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/02/contents_01.html
<資料>
平成23年患者調査
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001103075
人口推計(平成23年10月1日現在)
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2011np/index.htm