2014/12/11

日本国民の環境問題への関心は高まっているのか?

東京では本日から「エコプロダクツ2014」が始まっているらしい。

エコプロダクツ展は1999年に始まったそうで、15年くらい続いていることになる。来場者数は、1999年には5万人、2002年に10万人を超え、ここ最近は17~18万人で安定的に推移しているようである(*1)。

ところで、環境問題に対する日本国民の意識は高まっているのだろうか。環境省が行っている「環境にやさしいライフスタイル実態調査」を使って調べてみた。

環境にやさしいライフスタイル実態調査(H25年度)

その結果、驚いたことに、大半の項目(21項目中18項目)で関心が低くなっている。10年くらい前と比べて、日本国民の環境問題への関心は低くなっているとみてよさそうである。



逆に関心が高まっているものは「4. 黄砂」「7. 砂漠化」「14. 地盤沈下」の3つ。ただし「砂漠化」は1%増加なので実質的に変化なし。「黄砂」は、確かに、ニュース記事になることが増えた気もする。「地盤沈下」は、5年くらい前の調査結果を確認する必要があるが、東日本大震災との関連があるかもしれない。

最も関心が高いものは「1. 地球温暖化」である。これは昔も今も変わらない。でも、H15年度で82%だったのが、H25年度では68%に減っている。

関心が低くなった理由としては、ポジティブな理由を強引に挙げるとすれば、「環境がよくなったためである」ことも考えられなくはない。
確かに、例えば、「16. 廃棄物の最終処分場のひっ迫」については、東京都でいうと、平成18年に廃プラスチックを可燃ごみとして扱うようになり、それ以降、最終処分場の残余年数が増え、この問題が人々の耳目を集めることは少なくなったと考えられる。

しかし、このような状況改善の理由がつく項目は少ない。環境がよくなっていないにもかかわらず環境問題への関心が薄れているという方が適切だろう。

*1:Wikipedia

2014/10/26

喘息患者数が多い都道府県はどこか

 うちの子供は、喘息気味なのだが、全国で喘息患者が多いのはどこだろうと気になったので、調べてみることにした。「患者調査」(厚生労働省)という統計資料があるらしく、それを使って調べた。患者調査は、医療機関を受療した人の調査であり、年齢・傷病・都道府県別の統計がある。

患者調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html

 単純な患者数でいうと、人口が多い地域(東京とか)が多いに決まっているので、人口千人当たりの数字に換算した。また、患者調査で使用される「推計患者数」は、患者調査が行われる10月中旬に医療機関で受療した人の数なので、時期的な偏りがあることに注意が必要である。なので、今回は、「継続的に医療を受けている者」である「総患者数」のデータを使用した。
(都道府県別のデータが複数ファイルに分かれており、集計するのに手間がかかった。)

推計患者数、総患者数の定義
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20-tyousa_gaiyou.html#12

 今回は、乳幼児について知りたかったので「全年齢層」に加え「0~4歳児」についても調べてみた。

 また、喘息と症状が似ている急性気管支炎についても、喘息との合計値として調べてみた。特に乳幼児の場合、急性気管支炎と喘息の違いが分かりにくい(うちの子供がそう)ので、この2つは一緒に捉えたほうがよいと判断した。疾病別で「急性気管支炎及び急性細気管支炎」というカテゴリーがあったので、この総患者数を足したケースでも調べてみた。このへんは親としての意地もある。
 なお、急性気管支炎と喘息、それぞれの要因は、前者がウイルスや細菌、後者がアレルギー物質(ハウスダストやダニ)と違うらしい(*1)。

 結果は以下のとおり。まず、全年齢層の喘息患者数(2011年)だが、北海道、秋田、北関東(群馬、栃木)、東京、中国山陰~北部九州(鳥取、島根、山口、福岡、長崎)、宮崎がと高い(10以上)。

 次に、喘息+急性気管支炎の患者数(全年齢、2011)だが、北海道、秋田、群馬、東京、中国山陰(島根、山口)、長崎が高い(14以上)。喘息だけの図と比べ、地域分布の傾向に明らかな違いは見られないものの、数値としては平均で1.4倍になっている。



 次に、乳幼児(0~4歳)の喘息患者数(2011年)だが、秋田、新潟、鳥取、山口で80以上である。全年齢と比べ、新潟が高く、島根が低くなっている。また、全年齢層と比べ、全国的に桁が1つ大きい。乳幼児は喘息にかかりやすいといえる。
 喘息には、乳幼児のときに発症する小児喘息と、大人になって発症する成人発症喘息があるらしい(*2)。小児喘息の場合は、小学校高学年~中学生にかけて治るものも多いと言われる。うちの子供も、喘息とは認めたくないが小児喘息かもしれない…。


 次に、乳幼児(0~4歳)の喘息+急性気管支炎の患者数(2011)だが、喘息オンリーと比べ、傾向に明らかな違いは見られない。ただ、値が高い(100以上)地域に富山、島根、長崎などが加わっており、何となく日本海側で値が高い地域が多いような気がする。



 以上、わかったこととして、
1)乳幼児(0~4歳)の患者数は、全年齢層の患者数の約10倍である。
2)全国的な分布傾向については、何となく日本海側が多いように見える(特に乳幼児で)。
3)仮説として:日本海側が多いとしたら、その原因として大陸からの黄砂やPM2.5などが考えられる。

 3については、大気汚染物質濃度等との関連性を調べても面白いかもしれない。今回(やや強引な仮説として)広域的な大気環境に着目したが、日本海側以外の高い値(北関東など)を説明することが必要である。また、同じ日本海でも、低いところ(福井、石川など)があり、喘息リスクを低める要因があるのかどうかも気になるところ。
 
 一つ調べると分からないことがたくさん出てくるな。


<参考文献>
*1:吉田こどもクリニック/気管支喘息と喘息性気管支炎
http://www.yoshida-kodomo-clinic.jp/pc/column_sick_zensoku.html
*2:リウマチ・アレルギー情報センター/成人気管支喘息
http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/02/contents_01.html

<資料>
平成23年患者調査
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001103075
人口推計(平成23年10月1日現在)
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2011np/index.htm

2012/05/06

次のスーパームーンはいつか?


ちょっとした話題となっているスーパームーンについて調べてみた。

スーパームーンとは、月が地球に最も接近し、かつ満月か新月のときを言うそうだ。
満月だけでなく新月のときもスーパームーンと言うそうだが、本稿では満月を対象とする。

月が地球に接近する理由は、月の公転軌道が楕円軌道であるため。
最も接近する位置を近地点、離れる位置を遠地点という。近地点と遠地点とでは、満月の大きさが14%、明るさにすると30%も違ってみえるらしい(※1)。

さて、次に月が地球に最も接近するのはいつか。
これは「近点月」により決まる。近点月とは、月が近地点から軌道を一周し再び近地点まで戻るまでの時間(約27.55日)である(※2)。近点月に基づけば、次に月が地球に再接近するのは約27.5日後(2012年6月2~3日頃)となる。

6月2~3日の月齢を調べてみると、月齢12.1~13.1となっている(※3)。
満月の月齢は約15なので、やや欠けていて満月とはいえないかもしれない。実際、リンク先の月齢カレンダーをみても満月は6月4日となっている。


少し興味が湧いてきたので、近地点に到達する日とその時の月齢との関係を試算してみた。
試算式や仮定などは以下のとおり。

[近地点到達日数]=[近点月]×N (N=1,2,3…)
[月齢]=MOD(([近地点到達日数]+[2012年5月6日の月齢])÷[朔望周期])
(MODは余りの意味)

・近地点到達日数:近地点に到達するまでの、2012年5月6日現在からの経過日数
・朔望周期(月の満ち欠け周期)=29.53
・2012年5月6日の月齢=14.8
・近点月=27.55


試算結果は以下のとおり。
次の近地点到達時の月齢は12.8(27.6日後)、その次は月齢10.8(55.1日後)、その次は月齢8.9(82.7日後)となる。いずれも残念ながら満月でない。次に満月に近くなるのは約413日後(2013年6月23日頃)で、月齢14.6となる。
…ということで、次のスーパームーンは2013年の6月23日と考えられる。




ところで、2011年3月20日頃にもスーパームーンがあったそうだ(※4※5)。
せっかくなので過去に遡って試算してみたところ、約413日前の近地点到達日の月齢が15.0となっている。413日前とは、そう、2011年3月20日である。試算結果が事実と整合していたので少し嬉しい。



さて、2013年6月の次のスーパームーンはいつか?
試算してみたところ、以下のようになった。

約4105日後(2023年8月2日頃)、月齢15.1
約4518日後(2024年9月18日頃)、月齢14.9
約4932日後(2025年11月6日頃)、月齢14.7



どうやら、来年のスーパームーンを見逃すと、次は10年以上先まで待たねばならないようだ。

2012/01/15

冬の東京は福岡より晴れているか?

東京に来て6回目の冬。 
前々から感じているのだが、東京の冬空は、福岡と比べてとても晴れている印象がある。 

確かに、場所が異なるので気象も異なるだろう。しかし、春や夏や秋はそれほどの違いを感じない。冬だけ、大きな違いを感じるのだ。 これが単なる思い込みなのか、それとも明確な差があるのか、気になっていた。 

寒くて出かける気がしないので、気象庁の雲量データを使い調べてみた。 

雲量とは、空を見た時に雲がどれくらい見えるかを数字(0~10)で表した指標だ。 
雲量が0~1のときは「快晴」、2~8のときは「晴」、9~10のときは「曇り」となる(*1)。 
江波山気象館の写真を見ると、雲量7~8のときの感覚は曇天なのだが、気象用語の定義上は曇りらしい。 

*1 江波山気象館ウェブサイト/お天気Q&A 


雲量データは、福岡管区気象台と東京管区気象台の2箇所の観測値を使った(*2)。 

*2 気象庁/過去の気象データ検索 


東京の2007~2011年平均値(東京'07~'11) 
→「東京の空に対する感覚」を表す。東京に引越してきたのが2006年3月なので、それ以降のデータ。5年分が集計できたのは暇人のなせる業である。 

福岡の過去30年間の平均値(福岡'81~'10) 
→「福岡の空に対する感覚」を表す。理屈としては、物心ついた時~福岡を離れる時の値を使うべきだろう。でも、暇人とはいえ、20数年分を集計するのは面倒くさい、かつ物心がついた時期なんて分からないので、気象庁が整理している過去30年間平均値で代用。 

東京の過去30年間の平均値(福岡'81~'10) 
→東京の2007~2011年の値が異常値でないことをチェックするためのデータ。 



結果は以下のとおり。 


まず、俺の感覚の正しさであるが、 12月~1月の期間を見ると、東京の雲量(東京'07-'11)は福岡(福岡'81-'10)と比べ小さい。その差は2.0~2.5である。明らかに、冬の東京は福岡よりも雲が少ない(=晴れている)。俺の感覚は当たっていたらしい。 

次に、ここ数年の東京の値が異常値でないかをチェック。 
「東京'07-'11」と「東京'81-'10」に大差はない。ここ数年の雲量は、過去30年間の傾向から逸脱していないと考えられる。「東京の空は福岡と比べ晴れている」と一般化できる。 

やはり思ったとおり、冬の東京の空は、福岡の空と比べ晴れていた! 

また、夏から秋にかけては福岡の方が雲量が小さい(晴れている)ことや、福岡の方が年間の雲量の変動が小さいこと等も分かった。そういえば確かに、東京の夏は太陽がギラギラしていて、福岡は雲が多くムシムシしている気もする。 

調べてみると面白いもんだ。暇人の自由研究はムダではなかった(笑)